エンジニアが知っておきたい精算幅の仕組み

あなたはフリーランスのエンジニアですか?またはエンジニアに仕事を発注したい企業様でしょうか?

 

フリーランスのITエンジニアがクライアント企業と仕事をする場合、一般的にクライアントとシステムエンジニアリングサービス(SES契約)が結ばれます。

SES契約では、月額単価とともに「精算幅」が提示されます。

この精算幅は報酬額に関わる重要な項目です。

その意味をきちんと確認しておきましょう。

 

目次

  1. [:contents]精算幅とは?

  2. 労働時間が精算幅に収まらなかった?控除または超過分の上乗せ
  3. 控除単価と超過単価の算出方法
  4. 認識ずれはトラブルの元!精算幅は事前にしっかり確認しよう

 

精算幅とは?

IT系のフリーランスの求人情報で、「精算:140h-180h」という条件が付いているものがあります。この”140h-180hの時間幅のことを精算幅と呼びます。フリーランスとしての月額の契約単価が50万円だとすると、「精算:140h-180h」の案件の場合、ひと月の労働時間が140時間から180時間の間ならば50万円が給与されるということです。

 

労働時間が精算幅に収まらなかった!

控除または超過分の上乗せ

効率よく作業をして、ひと月の仕事を130時間で終わらせた場合や、

逆に残業が多くてひと月の労働時間が100時間になってしまった場合は、

精算幅外になります。この場合はフリーランスに支払われる報酬はどうなるのでしょうか?

精算幅の下限を下回った場合は単価は控除され、逆に上限を上回った場合は超過分の支払いが行われます。

控除だと「控除単価×下回った時間」分の賃金が控除され、超過だと「超過単価×上回った時間」分の追加賃金の支払いとなります。

 

控除単価と超過単価の算出方法

控除単価と超過単価は、「上下割」で決める方法と「中割」で決まる方法があります。月額単価50万円、精算幅が140時間から180時間の場合を例に挙げて説明しましょう。

上下割」は、精算幅の下限と上限を使って単価を算出する方法です。

控除単価」は月額単価÷下限時間、「超過単価」は月額単価÷上限時間という計算式で算出されます。そのため、控除単価は50万円÷140=3571円(少数点以下切り捨て)、超過単価は50万円÷180=2777円(小数点以下切り捨て)となります。

ひと月の労働時間が精算幅の下限を10時間下回れば、50万円から3571×10円が差し引かれた学がきゅうよされます 。ぎょあくに、労働時間が精算幅の上限を10時間うわまれば、50万円に2777×10円が上乗せされた額が支払われます。

「中割」は、精算幅の下限と上限の中間値を使って単価を算出する方法です。つまり、140時間と180時間の平均である160が、控除単価と超過単価の両方の計算に使われます。50万円÷160=3125円が、控除単価と超過単価として扱われます。

 

認識ずれはトラブルの元!精算幅は事前にしっかり確認しよう

控除単価と超過単価の計算は単純で、一度計算式を覚えてしまえば

控除と超過の金額を出すのは簡単です。

ただ、だからと言って甘く考えていると、クライアントとエンジニア側で

認識のズレが生じてしまっており、後からトラブルになってしまうケースが珍しくありません。

特に仕事を受注する際は、責任をもって精算幅の確認をしておきましょう。